SaaSは素晴らしい売り文句とともに登場しました。大きな初期投資不要、すぐに使い始められる、常に最新バージョン。中小企業にとっては、かつてソフトウェアを購入し、インストールし、自分たちで保守していた時代からの解放のように聞こえます。そして最初のうちは、実際に解放感があります。月額30ユーロのツールなど、取るに足らない金額に感じます。
問題は後から来ます。SaaSが悪いからではなく、積み重なっていくからです。そして一度使い始めたら、二度と手放せなくなります。
計算してみると
10人のユーザーを抱える中小企業を例に挙げましょう。運営中のビジネスに必要な標準的なツール一式です:
- CRMパッケージ:1ユーザーあたり月額約50ユーロ
- プロジェクト管理ツール:1ユーザーあたり25ユーロ
- 見積・請求書パッケージ:月額固定30ユーロ+1ユーザーあたり5ユーロ
- コミュニケーション・ファイル管理ツール:1ユーザーあたり15ユーロ
合計すると、1ユーザーあたり月額95ユーロに固定費30ユーロが加わります。10人のユーザーであれば月額980ユーロ、年間11,760ユーロになります。5年間では58,000ユーロを超えます。しかもこれは現在の価格であり、SaaSプロバイダーはほぼ例外なく毎年値上げを行います。
同等のカスタム開発プラットフォームは、スコープにもよりますが、構築費用として25,000〜50,000ユーロの一時費用がかかります。その後は、ホスティング費用と必要に応じた追加開発費用のみです。このようなプラットフォームのホスティング費用は、多くの場合月額50〜100ユーロです。5年間で見ると30,000〜60,000ユーロとなり、SaaSより若干安くなることが多く、どのレンジに位置するかによっては多少高くなる場合もあります。
本当の違いはお金ではない
数字だけで見るとほぼ互角で、多くの場合カスタム開発がわずかに有利です。しかし、本当の違いはそこにはありません。お金では買えないものがいくつかあります。
データの所有権。SaaSではデータはプロバイダーのサーバーに保存されます。アクセスは可能ですが、管理する権限はありません。プロバイダーが利用規約を変更したり、大企業に買収されたり、倒産したりした場合、自分では解決できない問題を抱えることになります。自社インフラ上のカスタム開発であれば、すべてが自分の手元にあります。
業務フローへの適合性。SaaSツールはその作業方法をユーザーに押し付けます。汎用的なプロセス(メール、オフィス自動化)であれば問題ありません。しかし、競合との差別化を生む中核プロセスにおいては、ソフトウェアが自社の強みに合わせるのではなく、自社の強みをソフトウェアに合わせることになります。
サブスクリプションリスクがない。SaaSの価格には一つの方向しかありません:値上がりです。カスタム開発ではコストが固定されます:ホスティング費用と時折の追加開発費用のみ。何年も機能追加をしなくても、コストは増えません。
SaaSが適しているケース
SaaSが常に間違いだと言うつもりはありません。どこでも同じように使われる汎用的な機能については、SaaSはほぼ常に最良の選択です。メール、オフィスパッケージ、会計、標準的な問い合わせ対応のヘルプデスクツールなど。こうした用途ではカスタム開発に勝ち目はなく、SaaSの利便性は正当なものです。
転換点となるのは、自社の業務フローが価値を生み出すプロセスです。そこでSaaSを選ぶと、お金以上のものを失います。失うのはお金ではなく、俊敏性と競争優位性です。
正しい問いかけ
つまり問うべきことは「SaaSかカスタム開発か」ではなく、「どのプロセスに使うか」です。違いが生まれないところではSaaSを選び、違いが生まれるところではカスタム開発を選ぶ。この組み合わせが、5年後に財務面でも業務面でも最善の結果をもたらします。
